はじめに
うちの犬がシニアと呼ばれる年齢に差しかかってから、それまで何とも思っていなかった短い留守番が、急に気になるようになった。買い物に出るあいだの数十分、仕事でどうしても家を空ける数時間。以前は当たり前のことだったはずなのに、玄関を出るときにふと足が止まる瞬間が増えていった。
この記事は、留守番中の不安をなくす方法を示すものではない。私自身、今も完全に不安が消えたわけではなく、見守りカメラというものを調べながら、自分なりに折り合いをつけてきた過程がある。同じように短い外出さえ気になり始めている人に向けて、私が何を考え、何を調べ、どう判断したかを書き残しておきたいと思う。
あのときのこと
気づいたきっかけ
きっかけは、はっきりとした一つの出来事があったわけではなかった。うちの犬の動きがゆっくりになり、段差でつまずくことが増え、以前よりも一人でいる時間に落ち着きがなさそうに見える日が増えていった。それまでは、外出前に軽く声をかけて出かければそれで十分だった。それが、玄関のドアを閉めた後も、しばらく中の様子を想像してしまうようになった。
近所への買い物のような、ほんの短い外出でも同じだった。以前なら気にも留めなかった時間の長さなのに、シニア期に入ってからは「今、何をしているだろう」「変わったことは起きていないだろうか」と考えながら歩いている自分に気づくことが増えた。
そのときの気持ち・迷い
正直に言うと、最初のうちは、こんなことを気にする自分を少し大げさだと感じていた。以前は普通にできていた留守番だったし、うちの犬自身も、特別に体調を崩しているというわけではなかった。それでも、一度「気になる」という感覚が生まれると、なかなか元には戻らなかった。
仕事でまとまった時間家を空けなければならない日は、特に落ち着かなかった。何かあったときにすぐ気づけないかもしれない、という考えが頭の片隅に残ったまま一日を過ごすことになった。かといって、外出そのものをやめるわけにもいかない。そうした中で、留守中の様子を知る手段があるなら知っておきたい、と思うようになっていった。
私が考えたこと、迷ったこと
見守りカメラというジャンルがあることは、以前から漠然と知ってはいた。ただ、実際に自分ごととして調べ始めたのは、留守番への不安がはっきり自分の中に居座るようになってからだった。
調べてみると、一口に見守りカメラといっても、機能にはいくつかの種類があるようだった。もっとも基本的なのは、外出先からスマートフォンで映像を確認できる機能で、これがあれば、少なくとも「今どうしているか」を見に行くことはできる。加えて、こちらの声を届けたり、逆に部屋の中の音を聞き取ったりできる双方向音声の機能を備えたものもあるようだった。物音や動きを検知して通知を送る機能を持つものもあり、常に画面を見ていなくても、何か変化があったときに気づける仕組みになっているものもあった。
こうした機能を知っていくうちに、私は「何のために導入するのか」を自分の中で整理する必要があると感じるようになった。ただ不安だから導入するのではなく、留守中に確認したいのは何なのか、どこまで分かれば自分は安心できるのか。そこがはっきりしないまま機器だけを増やしても、かえって画面を気にし続けることになりかねない、とも思った。
導入する・しないを分けたもの
見守りカメラを検討する中で、私はいくつかの観点で考えを整理してみた。一つは、うちの犬自身の性格や状態だった。人の気配や視線を意識しやすい子もいれば、そうでない子もいるだろうし、カメラの存在自体が落ち着かない材料になる場合もあるかもしれない。もう一つは、住環境だった。家の中のどの範囲を確認したいのか、電波の届き方はどうか、といった条件は家によって異なるはずだった。そしてもう一つ、費用の面も無視できなかった。機器そのものの価格に加えて、映像を記録し続けるための費用がかかる仕組みのものもあるようで、続けられる範囲かどうかを考える必要があった。
これらは、どれも「これが正解」という基準があるわけではなく、その家庭、その子によって答えが変わるものだと思う。私自身、うちの場合はこう考えた、というだけであって、同じ結論に至らない人がいても当然だろうと感じている。
猫と暮らしている人であれば、カメラ以外にも、首輪型の見守りデバイスのような別のジャンルの選択肢があると聞いたことがある。うちは犬なので実際に調べたのはカメラの方だけだったが、選択肢は一つに限らないということだけは触れておきたい。
万能ではないと感じたこと
調べながら、そして実際に検討する中で強く感じたのは、見守りカメラはあくまで「様子を知るための道具」であって、それ自体が何かを解決してくれるわけではない、ということだった。映像で異変に気づけたとしても、その後どう対応するかを考え、実際に動くのは結局自分自身だった。
体調に関わる判断は、映像を見ただけで自分が下せるものではないとも思った。少しでも気になる様子が映っていれば、まずかかりつけの獣医師に相談することを前提にしておく必要がある、と自分の中で位置づけるようにした。カメラは異変に「気づくきっかけ」を増やしてくれるものであって、判断そのものを代わりにしてくれる道具ではない。
家族と暮らしている場合は、留守番の時間帯を家族内でどう分担するかという相談も、カメラとは別に必要になってくるだろうと思う。カメラがあるからといって、見守りそのものを機器任せにしきってよいわけではない、というのが、調べながら私が持つようになった感覚だった。
今の私なら: 見守りカメラの機能を調べる前に、まず「留守中の何が一番不安なのか」を自分の中ではっきりさせてから調べ始めると思う。当時は漠然とした不安のまま情報を集め始めてしまい、何を基準に考えればいいのか、しばらく定まらなかった。
今、振り返って思うこと
振り返ってみると、見守りカメラを調べていた時期の私は、留守番そのものへの不安を、道具を知ることで少しずつ扱えるものに変えようとしていたのだと思う。実際に導入するかどうかを決める過程そのものが、漠然とした不安を具体的な検討事項に変えていく作業だったのかもしれない。
不安が完全になくなったわけではない。今でも、まとまった時間家を空けるときには、うちの犬のことが頭をよぎる。それでも、何を確認したいのか、どこまでを人の目や手に委ね、どこからを機器に頼るのか、ということを一度自分なりに整理できたことは、当時の自分にとって意味のあることだったと思う。
もし今、同じ状況にいる人がいたら
もし今、短い留守番さえ気になり始めているなら、それを大げさだと感じなくていいのではないかと思う。以前は何とも思わなかったことが気になるようになるのは、その子がシニア期に入ったことに、こちらの意識が追いついてきた結果でもあるのだろうと、今の私は捉えている。
見守りカメラのような選択肢を調べてみることは、不安をなくすためというより、不安とどう付き合っていくかを考えるための一つの材料になり得ると思う。導入するにしても、しないにしても、その子の性格や住環境、続けられる範囲を自分たちなりに考えてみることが、まず大事なのではないかと感じている。
そして、機器を使うかどうかにかかわらず、気になる変化に気づいたときは、まずかかりつけの獣医師に相談することを前提にしておくとよいのではないかと思う。一人で抱え込まず、家族がいれば留守番の時間帯を分担することも、選択肢の一つとして考えておきたい。
おわりに
留守番への不安が急に大きくなった当時の私は、戸惑いながら見守りカメラというジャンルを調べ、自分なりの基準を探していた。今も、あの判断が完全に正しかったのかどうか、はっきりとした答えは持っていない。それでも、あの時間は、うちの犬との日々の中の一つの試行錯誤として、今の私の中に残っている。
もしこの記事を読んでいるあなたが、今まさに同じような不安を抱えているのだとしたら、無理のない範囲で、その子とその家に合いそうな形を少しずつ探してもらえたらと思う。
一人で抱え込まないために
ここに書いたのは、あくまで私自身の体験に基づく一つの記録であり、医学的な診断や治療法を示すものではありません。 もし当てはまるようであれば、無理をせずに、下記のような窓口にも相談してみてください。
- 動物の体調や医療的な疑問がある場合:かかりつけの獣医師、または地域の獣医師会
- 強い落ち込みや不眠が続く場合:公認心理師・臨床心理士などによる専門のカウンセリング機関
- 心身のつらさが強いと感じる場合:お住まいの自治体の精神保健福祉相談窓口など、公的な相談機関
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留守中の様子を確認できる見守りカメラを扱うサービスもあります。導入を検討する際の選択肢の一つとして、確認してみてもよいかもしれません。
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